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【訳者インタビュー&プレゼントキャンペーン】新刊『スーパーナチュラル・ウォー 第一次世界大戦と驚異のオカルト・魔術・民間信仰』

みなさん、こんにちは♪ヒカルランド編集部です。

今回は4月27日刊行ほやほやの新刊『スーパーナチュラル・ウォー 第一次世界大戦と驚異のオカルト・魔術・民間信仰』(オーウェン・デイヴィス著、江口之隆訳)のご紹介です!

全世界に1800万人以上の死傷者をもたらした未曾有の大災厄、第一次世界大戦(1914〜18年)。その背後で大流行した無数の占い、予言、おまじない、護符、魔術、都市伝説を紹介した世にも珍しい貴重書籍です。

試し読みはこちら

[黄金の夜明け団]入門』『ウェイト=スミス・タロット物語』につづいて本書をご翻訳いただいた江口之隆さん(西洋魔術博物館館長)に、本書の読みどころや面白事情を伺いました。

また、本書でも登場する第一次世界大戦当時の貴重なアンティーク幸運絵葉書が当たるSNSご感想キャンペーンも!ぜひ最後までご覧ください。

1.訳者インタビュー(話し手:江口之隆さん〈西洋魔術博物館館長〉)

Q1. 今回も長期にわたる翻訳作業、おつかれさまでした!本書の読みどころをざっくり教えてください。

塹壕で機関銃を構えるドイツ軍兵士たち(1915年)

やはり塹壕という極限下で展開されるフォークロアとその意味、でしょうか。

冒頭にもあるように、「脱魔術化」したはずの欧州列強の軍隊が、いざ戦争に直面して凄惨な塹壕戦が始まると、地獄の釡の蓋が開いたかのようにあふれでた無数の呪物にすがりつく。さらに交戦各国が自分たちに都合の良い天使たちを目撃していく様子は笑うに笑えないスペクタクルでしょう。

また膨大な戦死者の発生を好機ととらえるメンタリティーも見逃せません。教会が、心霊術が、社会学者が、心理学者が、みなそれぞれの思惑で戦死者の魂をとらえようと張り切るさまも悲喜劇というか業の深い話というか。

Q2. 江口先生は、英国をはじめとする魔術関連の収蔵品や資料を展示するオンラインミュージアム「西洋魔術博物館」を運営されていますね。長年、文物蒐集に取り組まれてきた立場からご覧になって、本書で興味深かった事例はございましたか?

WWⅡ当時の防弾聖書(西洋魔術博物館蔵)

一番ショックだったのは、自分が知らないお守りやチャーム類がこんなにあったのか、と。すぐさま実物収集を開始して、第一次大戦当時のポルト・ボヌールすなわち幸運の絵葉書などを集めたのですが、裏面にある差出人の書き込みを読むうちに厳粛な気分にもならざるを得ませんでした。

本書あとがきでも触れたのですが、一次大戦前によく見られた「首吊りのロー プ」といった不気味なシンボルは戦時中の幸運絵葉書にはほとんど見られないこと。 また英国国内で作られた鉤十字のお守りやアクセサリー類は、よほど丁寧に処分さ れたのか滅多に見つからず、たまにあるとえらい値段でした。とりあえず買った黒 猫と鉤十字の絵葉書も、他のデザインのものの5倍の価格。

第二次大戦時の防弾聖書は比較的安価で入手できたのでラッキーでした。実際に ワークシャツの左胸ポケットに納めて一日過ごしてみたりしましたが、慣れればそれほど苦になりません。

Q3. 戦時下で隆盛したオカルト・占い・予言は、詐欺まがいのビジネスやデマな どの問題も生みました。現代にも通ずるテーマですが、先生はどんなご感想を持たれましたか?

再認識させられたのが、英国をはじめとして欧州各国では占いの類がボーダーライン上の稼業だという点ですね。基本的には禁止されていて、しかし当局が大目に見ている状態。あまり悪辣な稼ぎ方をしていると摘発されるわけです。

そのあたりの呼吸は占い師も官憲もよく心得ていたのに、両者の暗黙の了解状態が崩れるのが一次大戦ということでしょう。

市井の占い師が戦争の趨勢を語ることで人心を惑わすという事態を官憲が許さない状況があり、おとり捜査が次々と行われる。おとり役はもっぱら警察官の家族の女性がつとめ、さらに女性警官が送り込まれていく様子は、実に興味深いです。

占い師は「未婚女性にはまだ見ぬ夫という夢を、既婚女性にはいずれ死ぬ夫とい う希望を語る」(本書185ページ)という一節にはしびれました。

Q4. 今回の翻訳でいちばんご苦労されたのはどんなところでしたか?

WWⅠの戦場にあらわれたというモンスの天使たち

固有名詞の統一表記です。第一章でベニートだったものが後半でベニトになっていたり、その場その場では違和感がないので気づかないんです。フランダース/フランドルのように英語読みするか現地読みするか、そのあたりも揺れていました。最終段階で一括変換できるのは有難さの極みです。

あと、登場する人名のなかには正直言って「…だれ?」という人もいるため、ググる回数が多かった。

--本書の固有名詞の確認には編集部も泣かされました。しかし、それだけこれまで知られていない事柄が満載なので、西洋史にお詳しい皆様にもご堪能いただけるのではと思います!

Q5. 最後に、読者の皆様にひとことメッセージをお願いします。

本書では第一次世界大戦にまつわる予言、伝承、占い、マスコット類など、さまざまな事象が語られます。そこに西洋独自の伝承を見るもよし、人類の普遍を感ずるもよし。ともあれ本書は間違いのない情報の宝庫であり、世にもおもしろい書物なのであります。

--ありがとうございます。たくさんのかたにご覧いただけることを編集部一同も心より願っております!

2.【読者特典!】戦時占星術の貴重資料も掲載『スーパーナチュラル・ウォー』読書手帖

本書の読者のみなさまへの特典として「読書手帖」(PDF)をご用意いたしました!

20世紀英国の代表的オカルト雑誌『オカルト・レヴュー』1940年7/10月号掲載の戦時占星術についての貴重な記事翻訳をご紹介しております。

こちらの記事ですが超興味深い!いわば「戦時下の12星座占い」で、牡羊座、牡牛座、双子座…等々の別に「あなたは戦争でどんな役割が向いているか」が解説されています。

ちなみにスタッフは戦時中も平々凡々とすごすらしい(⁈)獅子座でした。

『オカルト・レヴュー』誌を全巻所蔵している公的機関は大英図書館とイェール大学のみ。インターネットでも公開されていますが、1939年以降のものは現時点では未公開です。今回は西洋魔術文物の蒐集家でもある訳者の江口さんがこの巻をご所蔵されていたことから、ご紹介が可能になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

ぜひこちらの特設ページからご覧ください♪

https://book.hikaruland.co.jp/20040122/asupernaturalwar/

*閲覧には本書333ページに記載のパスワードが必要となります。

3.【SNSご紹介キャンペーン】第一次世界大戦当時のアンティーク幸運絵葉書をプレゼント!

ご自身のHP、ブログ、SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)で本書をご紹介くださった方、抽選で10名様に第一次世界大戦当時の貴重なアンティーク幸運絵葉書をプレゼントいたします(一部、違う時期の絵葉書もあり)。

幸運絵葉書、すごいかわいいんです❤️

四葉のクローバーなど日本でもおなじみのラッキーアイテムにくわえ、蹄鉄やファーティマの手、現在では不吉な数字として知られる「13」まで!ヨーロッパの興味深い民俗文化が感じられて見ていて飽きません。

残念ながら抽選に外れた皆様にも、プレゼント用の絵葉書をまとめた「幸運絵葉書プチ図録」(PDF)を全員プレゼント!

ご自身で撮影いただいた本書の表紙写真+簡単なご感想(ハッシュタグ可能な場合は「#スパウォー」)を添えてご投稿いただき、お名前(ペンネーム可)、メールアドレスとともに、ご投稿のURLを下記お申し込みフォームで送信ください。

*お申し込み〆切:2020年5月22日(金)

▽お申し込みフォームはこちら

https://forms.gle/bJGrtKzJh11xqzVCA

※お送りいただいた個人情報は、本キャンペーンの結果通知とプレゼント送付にのみ使用いたします。

4.『スーパーナチュラル・ウォー』書籍内容紹介

愚かな妄信か、それとも愛する人を守るための最後の命綱か。

第一次世界大戦期のヨーロッパで、数々の「迷信」や「呪術」が復活し、世を賑わした。
護符、占い、予言、霊媒、魔術儀式、まじない、都市伝説……現代総力戦の幕開けの時代、〈超自然的なるもの〉に人々はなにを求めたのか? 
空前の大量死と社会変動に対峙するなかで、オカルトパワーの約束に魅入られた人々の驚くべきストーリーを明らかにする。

全世界で死傷者1800万人超、未曾有の大災厄から生まれた無数の伝承・呪物で紡ぎ出す、かつてない〈戦争民俗学/戦争社会学〉の名著。

当時の多種多様な信仰・実践の詳細や、戦時期における超自然の役割を精査。
20世紀初頭の西洋における幅広い問題関心に光を当てる。

「…人の心のより深いところにある謎やさらに別の領域に関する歴史もまた歴史である。

本書をお読みいただければ、超自然が戦争体験に関して多くを教えてくれること、また戦争が超自然体験に関して多くを教えてくれることをご理解いただけるだろう」
(本書「序文」より)

★本書の試し読みはこちらから

5.目次内容

序文

第1章 驚異に満ちた戦争

第2章 予言の時代
昔の予言、今の予言
あふれでる現代の予言者たち
星を眺めて
アルマゲドンと新たなる世界秩序
ドイツ皇帝の数字: 666 

第3章 ヴィジョン体験、霊、そして霊能者たち
天上のしるしと聖なる出現
マリア出現
白い仲間
とりつかれる場所、とりつかれる人々
心霊術と戦争
戦場の霊たち
心霊戦
予知

第4章 占いさまざま
占いという仕事
魔術代行
占い師掃討キャンペーン
女性の問題
看板に偽りあり
魔女術取締法
ウォー・ストーリーズ

第5章 戦場の幸運
不運を回避する
流行するお守り
卵膜の売買
クローヴァーの戦い
あちらこちらに鉤十字
動物の魔術
小さな神々を製造する

第6章 塹壕の信仰と護身のお守り
防弾聖書
天国からの手紙
カトリックの武器庫
諸聖人と聖人崇拝
ニューソートと防弾思考
世界的信仰

第7章 余波

訳者あとがき
付録1本書関連地図
付録2本書関連年表
原注
図版出典一覧
事項索引
人名索引

6.著訳者について

オーウェン・デイヴィス(Owen Davies

ハートフォードシャー大学教授(社会史)。魔女、魔術、幽霊、民間療法、グリモワール(魔道書)について幅広い研究を行っている。著書に『世界で最も危険な書物 グリモワールの歴史』(宇佐和通訳、柏書房、2010)、Paganism: A Very Short Introduction (2011)、Magic: A Very Short Introduction (2012)、America Bewitched: The Story of Witchcraft after Salem (2013)、編著にThe Oxford Illustrated History of Witchcraft and Magic (2017)がある。

訳者 江口之隆(えぐち・これたか

1958年、福岡県生まれ。魔術研究家、翻訳家。主な著書に『黄金の夜明け』(亀井勝行との共著、国書刊行会)、『西洋魔物図鑑』(翔泳社)など、訳書にリガルディー編『黄金の夜明け魔術全書』、クロウリー『新装版777の書』(国書刊行会)、シセロ夫妻『[黄金の夜明け団]入門』、イェンセン『ウェイト=スミス・タロット物語』(いずれもヒカルランド)などがある。フォロワー数6万人超のTwitterアカウント「西洋魔術博物館」を主宰。魅惑的な西洋魔術の世界に関するウィットに富んだ情報発信で幅広い層の人気を呼んでいる。

HP:http://www.elfindog.sakura.ne.jp
Twitter:https://twitter.com/MuseeMagica

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